焙煎日を確認すべき理由
賞味期限と同じくらい焙煎日は大事
スーパーやコンビニでコーヒー豆を買うとき、皆さんはどこを見ますか?
おそらく多くの人が賞味期限を確認すると思います。
もちろん食品としてそれは大事なんですが、美味しいコーヒーを淹れたいなら、同じく見るべき数字があるんです。
それが焙煎日(RoastDate)です。
「え、コーヒーって生鮮食品だから、焙煎した直後が一番美味しいんじゃないの?」と思いますよね。
僕も最初はそう信じて、焙煎してすぐ発送!というお店ばかり探していました。
でも実は、コーヒーにはエイジング(熟成)という期間が必要で、焙煎したてホヤホヤが必ずしもベストな状態とは限らないんです。
焙煎日を知ることは、古くなっていないかを確認するためだけではありません。
いつが飲み頃のピークなのかを計算し、最高の状態で味わうための、いわば解禁日を知るための重要な手がかりなんです。
今日は、なぜあえて時間を置く必要があるのか、そのメカニズムと、焙煎度ごとのベストなタイミングについてシェアしますね。
なぜ寝かせる必要があるの?
なぜ焼きたてがベストではない場合があるのか。
それは、前回の記事でも触れた炭酸ガス(二酸化炭素)です。
焙煎直後の豆には、パンパンにガスが含まれています。
このガスは、お湯をかけた時にもこもこと膨らんで楽しいのですが、量が多すぎると逆に厄介者になります。
ガスが勢いよく出すぎることで、お湯とコーヒーの粉が接触するのを邪魔してしまい、肝心の味や香りの成分が十分に抽出されないことがあるんです。
また、焙煎直後は煙の匂いや、ガス由来の刺激が強く、味がトゲトゲしく感じられることも。
そこから数日経って、余分なガスが抜け、味が落ち着いてくる期間のことをエイジングと呼びます。
ガスが適度に抜けることで、お湯が粉の中心までスムーズに浸透し、豆本来の甘みや酸味がクリアに引き出せるようになるんです。
この味が開く感覚を覚えると、焙煎日からの経過日数を数えるのが楽しくなりますよ。
深煎りと浅煎りで違う
では、具体的に何日くらい待てばいいのでしょうか。
これは焙煎度(焼き加減)によって大きく異なります。
僕が普段目安にしているスケジュール感をお伝えしますね。
深煎り(ダークロースト)の場合
【飲み頃:焙煎後3日目〜10日目くらい】
豆の組織が脆くなっている深煎りは、ガスの放出が早いです。
焙煎直後は苦味が荒々しいですが、3日ほど置くと角が取れてまろやかになります。
逆に、2週間を過ぎると香りの抜けも早いので、比較的早めに飲み切るのがおすすめです。
僕は届いてから3日我慢して、そこから1週間くらいで飲み切るペース配分にしています。
浅煎り(ライトロースト)の場合
【飲み頃:焙煎後1週間〜1ヶ月以上】
最近流行りの浅煎りは、豆の組織が硬く締まっているため、ガスが抜けるのに時間がかかります。
焙煎直後に飲むと「酸っぱいだけ?」と感じることがあるんですが、これは抽出不足が原因のことが多いです。
驚くことに、浅煎りは2週間後くらいから急激に甘みが増して美味しくなることがよくあります。
長いものだと焙煎から1ヶ月後がピーク、なんて豆もあるくらい。
まだ味が薄いなと思ったら、焦らずさらに数日寝かせてみてください。
管理におすすめのアイテム3選
焙煎日を管理し、エイジングを楽しむために役立つアイテムやテクニックを3つ紹介します。
マスキングテープと油性ペン
地味ですが、これが最強の管理ツールです。
買ってきた豆の袋やキャニスターに、焙煎日ではなく飲み始め予定日を書いて貼っておきます。
例えば「Roast:10/1」なら「Drink:10/8〜」と書いておくんです。
こうすれば、棚を開けた瞬間に「お、そろそろコイツの出番だな」と一目で分かります。
複数の豆をストックしている時、この見える化は非常に便利ですよ。
遮光性の高いキャニスター(保存容器)
エイジング中も、豆は空気や光に触れると酸化して味が落ちてしまいます。
熟成と酸化は別物です。
美味しい状態で寝かせるためには、紫外線をカットできる遮光性の高いキャニスターや、空気を抜ける真空容器に入れて、直射日光の当たらない涼しい場所に置いておくのが鉄則です。
僕はデザイン重視でフェローの真空キャニスターを使っていますが、密閉できれば何でもOKです。
冷凍保存用バッグ
もし「今が一番美味しい!」というピークが来たのに、飲みきれそうにないときはどうするか。
その場合は、小分けにして冷凍庫に入れてしまいましょう。
冷凍することで、エイジング(と劣化)のスピードを劇的に遅くすることができます。
飲むときは解凍せずに、凍ったままミルの刃へ投入すればOK。
これで、いつでもベストな状態のコーヒーが楽しめます。
待つ時間もコーヒーの味わい方
焙煎日を確認するようになると、コーヒーショップで豆を買う時の選び方も変わってきます。
「今すぐ飲みたいから、あえて焙煎から1週間経ってるやつを選ぼう」とか、「来週のキャンプ用に、今日焼かれたばかりの豆を買って育てよう」といった戦略が立てられるようになるんです。
ただ消費するだけでなく、豆のコンディションに合わせて付き合い方を変える。
そんな余裕を持って接することで、あなたのコーヒーライフはより深く、美味しいものになるはずです。
ぜひ今度豆を買う時は、パッケージの裏側の日付をチェックしてみてくださいね。


